家具職人の榑林茂さんは、森下木工所に15才で弟子入りして今年で職人歴66年、
最ベテランの職人さんです。引きだしや座鏡の細工物を得意とし現在もチェストや小引き出しなどを製作されています。
その榑林さんが25歳頃に製作した「本桑座鏡」がお嫁入り先からお化粧に戻ってきました。
浜松のO様のお宅で大事に使われていたものです。
「修理したい座鏡があるのだけど見てくれる?」とのご相談で伺ったところ、偶然にも榑林さんの仕事。それも40年以上前に製作したものと判明したのです。
職人さんも懐かしそうに、嬉しそうに、若き頃の仕事にご対面となりました。
本桑の材料は現在とても貴重な材となり、お化粧直し(修理)も慎重に行いました。
日々の道具として使われ、また使い続けようという使い手のお客様の気持ちは家具職人冥利につきる嬉しさです。